第84期名人戦A級順位戦 千田翔太八段-中村太地八段 第6局の3

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脳みそが汗をかくほど

 さすが気合の入った休憩宣言をしただけあって、盤面と対峙(たいじ)する千田の姿には「とことん読み抜こう」という気概がうかがえた。目を閉じ、手のひらを額に押し当て、脳内で読みふけっている。外界を遮断しているようでもあって、身じろぎ一つしない。

 スイッチが入ったときの棋士の集中力はすさまじい。それを「脳みそが汗をかくほど考える」と表現したのは名棋士・米長邦雄永世棋聖。空調の利いた対局室で、千田の脳もまたダラダラと汗をかいていたのかもしれない。

 考えること1時間26分、千田は[先]4三歩成を実行した。もっともこの一手はたやすく指せる手で、実質的には[先]4二歩の周辺変化や[先]6二飛成の強襲を探るためだろう。

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