
参院選で大敗した自民党で、総裁選の前倒し実施に向けた議論がスタートした。
前倒しが決まれば石破茂首相は事実上、退陣を迫られることになるが、続投を求める世論も根強い。
「石破降ろし」の行方はどうなるのか。
政治アナリストの伊藤惇夫さんは、「結論次第で自民党は岩盤支持層を失いかねない」と見る。【聞き手・金志尚】
ポイントは記名式
――自民党は19日に総裁選挙管理委員会を開き、総裁選の前倒し実施に向けた議論を始めました。今後、党所属の国会議員や都道府県連の代表に意向を確認することになります。
◆19日の会合では議員らの意思を書面で確認することになりました。
記名か無記名かで議論になりましたが、逢沢一郎委員長が記名式となる見通しを示しました。
これは一つ、ポイントになりそうです。
もし前倒し実施はしないという結論になった場合、前倒しを要求した議員は有権者や支持者からその判断を厳しく批判されるかもしれません。
特に最近の世論調査を見ると、その可能性はあります。
そう考えると、(前倒しに賛成派と反対派の)中間的な人はちゅうちょし、そう軽々しくは前倒しを求められないでしょう。
――前倒しの可能性をどう見ますか。
◆全体的な流れで言えば、やっぱり(石破氏の退陣を求めて)拳を振り上げた議員がたくさんいるわけですから。
前倒しの可能性がそれなりにあるとは思います。
ただ、可能性が少し低下してきている、というふうに見ても、おかしくはないと思います。
支持層は「石破辞めるな」
――石破氏自身は続投の意思を示しています。最近の報道各社の世論調査では、「辞任の必要はない」が「辞任すべきだ」を上回ることもあります。
◆特筆すべきなのが、自民党支持層の数字です。
どの調査結果を見ても、圧倒的に「石破辞めるな」の声の方が大きいんですよね。
これまでの永田町の常識からすると、考えられないことです。
――と言いますと?
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