共産党の志位和夫議長は30日の記者会見で、参院選で短いキャッチフレーズを打ち出して躍進した政党があることを念頭に「世の中はワンフレーズだけではわからないということも若い方々には伝えたい」と述べた。一方、議席を減らした共産党については「ワンフレーズでも伝わるスローガンを磨く必要がある」とも語った。
志位氏は、資本論の内容を若者向けに紹介する自身の著作「Q&Aいま『資本論』がおもしろい」(新日本出版社)を8月に出版するのを前に、国会内で会見した。会見で「日本人ファースト」を掲げた参政党や、「手取りを増やす夏。」を掲げた国民民主党が、参院選で議席を大きく伸ばしたことを踏まえ、資本論の内容をキャッチフレーズで示すよう要望されると「ワンフレーズに対抗するものを資本論の中で言えたら苦労しない」と苦笑。一方で「(社会は)ワンフレーズでは表現できない複雑さと豊かさを持っている。粘り強く、解き明かすことが必要だ」と強調した。
共産党は参院選公約のスローガンで「物価高騰から暮らしを守り、平和で希望が持てる新しい日本を」を掲げたが、改選7議席から3議席に後退した。【田辺佑介】
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