「歌は上手くない。ただ…」芸能界のドン・バーニング周防郁雄氏がどうしても欲しかった『のちの超有名アイドル』の正体

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 森昌子、桜田淳子、山口百恵――光り輝くタレントの原石を選りすぐる内容が人気を博した、昭和の人気オーディション番組『スター誕生』。そこで生まれるドラマの数々を、ノンフィクション作家である田崎健太氏の最新刊『 ザ・芸能界 首領たちの告白 』(講談社)より一部抜粋してお届け。

 かつて、芸能界のドンとも知られるバーニングプロダクション創業者・周防郁雄氏の眼鏡にかなった「ある少女」とは?(全2回の1回目/ 後編 を読む) 


周防郁雄氏(写真:時事通信)

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バーニング周防郁雄が手を挙げた

『スター誕生!』はこの後も人材を輩出し続ける。岩崎宏美、ピンク・レディー、石野真子、柏原よしえ(現・柏原芳恵)たちである。

 金谷(金谷勲夫。『スター誕生!』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などを手掛けた日本テレビの元制作者)は中でも1982年にデビューした2人が印象に残っているという。

「ぼくは予選会では(応募してきた)1000人全員の顔を見ている。歌じゃないです。本人の顔、動き、声を見る」

 だから本当に疲れるんですよ、と言った。彼女を見たとき金谷は「来た」と心の中で呟いたという。

「その頃は日本テレビのJスタジオというところで予選会をやっていたんです。ぼくは二重丸をつけてその子を残したんです。(番組収録に)出すつもりで翌週も彼女を呼んだ。何を歌うかという楽曲決めだったんです。ところが全く歌えない。本人に“歌、覚えていないだろ”と聞いたら、やっていないと。お前、ワンコーラスぐらいちゃんと歌えるようになろうよって言って、(アコーディオン奏者の)横森(良造)さんのレッスンを受けさせました。そして翌週、(また)スタジオに呼び、テレビで歌うワンコーラスを形にしました。(収録日)普段、ぼくは審査員に何かを言うことはないんです。このときに限っては、いい素材がいます、良く見てくださいと言ったんです」

 その噂を聞きつけたのが、周防郁雄だった。

「周防さんにどうだって聞かれました。ぼくはいいと思いますと答えました。歌は上手くない。ただ、音痴ではない。訓練したことがないとも言いましたね。そして周防さんは、取りたいと札を挙げたんじゃないですか。あのとき3社が札を挙げた。周防さんのところとレコード会社、そして系列の事務所でした。どうしても欲しかったんだと思います」

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