英海軍の最新鋭空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が28日、東京国際クルーズターミナルに入港した。ウェールズを中心とする空母打撃群のブラックモア司令官が記者団の取材に応じ、共同で訓練した海上自衛隊との協力を「歴史的だ」と評価した。同名の英戦艦が1941年にマレー半島沖で日本海軍に撃沈されたことに触れ、東京からの帰途に現場海域を訪れ、日英合同で戦没者を追悼すると明らかにした。
入港に合わせて、艦内が一部メディアに公開された。ウェールズは9月2日まで停泊し、市民との交流イベントなどを行う。
司令官によると、南シナ海での追悼には海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」が同行する予定という。戦後80年の節目に、かつての敵同士が共に追悼する意味について司令官は「両国の極めて緊密なパートナーシップを示すものであり、この地域での我々の協力が、いかに真剣なものであるかの証しになる」と強調した。
東京への寄港に先立ち、ウェールズは日米英など6カ国共同訓練に参加。ウェールズの艦載機、ステルス戦闘機F35Bが海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」に発着艦した。司令官は「両国にとって歴史的な瞬間だった」と振り返った。
ウェールズは全長約280メートルで乗組員は約1600。海軍士官らによると、F35Bを3分間で4機ずつ離陸させることができるなど高い技術と練度を誇る。離陸と同時にF35Bの着陸、ヘリコプターの発着陸の三つの作業を並行させることもできるという。【米村耕一】
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