広島―巨人(28日・マツダスタジアム)
さすがの「神の子」も重圧に負けたか。日米通算200勝まであと1勝としていた巨人・田中将大は2回6安打5失点と精彩を欠いた投球でノックアウト。偉業は持ち越しとなった。
長く苦しい二回を終え、広島の夜空を仰いだ田中は苦悶(くもん)の表情を浮かべた。
岸田行倫の逆転2ランで2―1となり、二回は仕切り直しといきたいところだったが、いきなりつまずいた。死球と連打で1死満塁のピンチを招き、泉口友汰の失策で同点。なお満塁で広島の2番・ファビアンを迎えた。
踏ん張って味方のミスを帳消しにしたい場面。ところが、力みが出たか初球の直球がまさかのワンバウンド。暴投で勝ち越され、さらに2点適時打を浴びた。
今月7日の1軍復帰以降、3試合で自責点2と好投を続けていた。199勝目を挙げた21日のヤクルト戦後には「手応えも感じている。次は長いイニングを任せてもらえるように」と意気込んでいた。しかし、この日は直球に球威がなく、変化球は制球が甘かった。
シーズンも最終盤。チームの現実目標はクライマックスシリーズ進出だが、予断を許さない状況だ。残り26試合で、田中に与えられるチャンスは多くはないだけに、悔やまれる登板となった。【牧野大輔】
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