先日、とある店でレジに並んでいると、若い男性が目の前に割り込んできて「またか」と思った。「最近の若者ときたら」と文句を言いたいわけではない。どうも筆者は割り込まれやすい体質らしく、数十年前から何度もあちこちで割り込まれている。あまりに頻繁なので、ある時期から「もしや相手には、私の存在自体が見えていないのでは?」と考えるようになった。
1970年代に実在した大量殺人者の伝記映画「私、オルガ・ヘプナロヴァー」(2016年)に、上記と同じ状況の場面がある。孤独な若い女性オルガは勤務先の工場で賃金を受け取る際に割り込まれ、ぼうぜんと立ち尽くす。オルガが犯す凶行には賛同できないが、社会の片隅で孤立した女性を透明人間のように表した描写に奇妙な共感を抱いた。
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