ロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震で、気象庁は31日夕に千葉県内の津波注意報を全面的に解除した。稼ぎ時の夏休みシーズンに警報が出たため、宿泊業者から「客足が遠のくのでは」と懸念する声が出た。
気象庁は30日朝、県内の27市町村に津波警報と津波注意報を発表。警報を30日中に解除したが、外房では31日夕まで注意報が続いた。県内で観測された津波は、館山市の60センチ(30日午後8時5分)が最大だった。
旭市のホテルでは30、31両日で予約全体の15%に当たる約20件のキャンセルがあった。担当者は「件数は多くない」というものの、「津波警報が出たことで『海沿いは怖い』という印象を持たれ、海辺の宿のイメージが悪くなるのが心配だ。今後、観光客が行き先を変更するような流れにならなければいいが……」と話す。
銚子市のペンション経営者は、津波に加えて、東日本に接近する恐れがある台風9号の影響も危惧する。「既に週末の予約の3割がキャンセルになった」と嘆いた。
JR東日本は津波警報の影響で31日も外房線、内房線、東金線の上下線で一部列車を運休したが、午後は平常運転に戻した。【中村聡也】
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