「のらくろ」と「戦争画」=濱田元子

「のらくろ」と「戦争画」=濱田元子

 戦争は嫌だし、協力したくないと思っていても、「もしも」の事態に直面したらどうなるか。いつの間にか同調の嵐に巻き込まれてしまうのではないか。戦時体制下における表現者たちの姿を通して改めて考えさせられる舞台が、戦後80年の夏を刻んだ。  LiveUpCapsules「穿(うが)つ泡」(6~11日、東京・小劇場楽園、村田裕子作・演出)は...
能楽×フラメンコ、超絶技巧の競演 一噌「意味のある融合を」

能楽×フラメンコ、超絶技巧の競演 一噌「意味のある融合を」

 能楽一噌流笛方の一噌幸弘とフラメンコギターの沖仁によるコンサート「能楽×フラメンコ、幽玄と情熱が交差する音の旅」が10月11日、東京・矢来能楽堂で催される。両楽器のトップランナーである2人が古今東西の名曲や自作で共演、「異種格闘音楽」を繰り広げる。  能の囃子(はやし)方としてだけでなく、一噌は和洋各種の笛を演奏し、他ジャンルの演...
15回目の「永楽館歌舞伎」 愛之助、壱太郎が「神の鳥」

15回目の「永楽館歌舞伎」 愛之助、壱太郎が「神の鳥」

 近畿地方で現存する最も古い芝居小屋として知られる出石永楽館(兵庫県豊岡市)で9月30日~10月5日、恒例の「永楽館歌舞伎」が開催される。新型コロナウイルス禍での中断を経て、15回目の公演。2014年の第7回で初演された舞踊劇「神(こう)の鳥」と、祝祭性の強い「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」を披露する。  永楽館は1901年...
佐藤隆太 ぬくもり持ち帰ってほしい 震災30年の兵庫で舞台「明日を落としても」

佐藤隆太 ぬくもり持ち帰ってほしい 震災30年の兵庫で舞台「明日を落としても」

 兵庫の街を襲った大災害から30年。人の心と文化の復興を担うべく、震災10年後に開館した兵庫県立芸術文化センターが、開館20周年を迎えた。記念公演として10月から、舞台「明日を落としても」を上演する。1995年と2025年を行き来しながら展開する物語。主演は「この劇場が大好き」と話す佐藤隆太だ。  「舞台の空間もお客さんにすごく届く...
第44回尋牛会書展

第44回尋牛会書展

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伊与原新さん(作家) 魅力ある「面倒くさい人」 新著で「死の灰」に挑んだ女性科学者

伊与原新さん(作家) 魅力ある「面倒くさい人」 新著で「死の灰」に挑んだ女性科学者

 日本の女性科学者の草分け的存在・猿橋勝子(1920~2007年)。地球化学の研究者だった彼女は、54年に米国が太平洋・ビキニ環礁で実施した水爆実験で降った死の灰(放射性降下物)による放射能汚染の調査に取り組み、放射性物質の危険性を世界に訴えた。優れた女性科学者に贈られる「猿橋賞」の創立者としても知られる。  伊与原新さんは直木賞受...