ロイター通信報道
ロイター通信は1日、カンボジア政府がトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦する方針だと報じた。タイとの国境地帯で続いていた両国の軍事衝突の停戦を仲介したことが理由だという。
「平和の構築者」を自称するトランプ氏は、各地の紛争調停に積極的で、当事者からノーベル平和賞に推薦されるケースも相次いでいる。ただ、選考主体のノルウェー・ノーベル委員会から評価されていないとの自覚もあるようで「どうせ私はもらえない」と自虐的だ。
ロイターによると、カンボジアのスン・チャントル副首相は停戦合意後、地域に「平和をもたらした」としてトランプ氏に謝意を表明。ノーベル平和賞に値するとの考えを示した。ロイターの追加取材に対して、1日に改めて平和賞推薦の方針を認めたという。
ノーベル平和賞は各国の国会議員や元首らに推薦権がある。パキスタン政府は6月、インドとの軍事衝突を巡って停戦の仲介役を果たしたとして、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦すると決めた。7月にはイスラエルのネタニヤフ首相も、トランプ氏を推薦したことを明らかにした。
ただ、インドはパキスタンとの停戦で、第三国の仲介を否定。パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議も難航している。
トランプ氏は、ノーベル平和賞の受賞を強く望んでいるとされ、1期目(2017~21年)に当時の安倍晋三首相に推薦を依頼したこともあった。
ただ、今年6月には、自身のソーシャルメディアへの投稿で「ロシアとウクライナ、イスラエルとイランでどのような結果がもたらされようとも、どうせ私はノーベル平和賞はもらえない。でも人々は知っている。それが私にとって一番重要だ」と発信した。【石山絵歩】
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