第84期名人戦A級順位戦 近藤誠也八段-千田翔太八段 第3局の2

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18分遅れで対局開始

 遅刻した場合、特別な理由がなければ遅刻の3倍が持ち時間から引かれるが、電車の遅延による遅刻はそのままの時間が引かれる規定である。近藤は電車遅延証明書を記録係の野田澤彩乃女流初段に渡し、持ち時間から遅刻した13分が引かれることになった。

 まだ少し肩で息をしている近藤を気遣ったか、千田は駒箱を開けるまでにも少し時間を置き、駒を並べるのにもいつもよりゆっくりと並べた。対局開始時刻の欄には午前10時18分が記入されていた。

 A級初陣となる近藤の初手は[先]2六歩(図)だった。近藤が先手番の直近の3局は初手に[先]7六歩と角道を開けて矢倉を選択していたのだが、本局では相掛かりを選択。近藤は居飛車しか指さない本格派だが、角換わり、相掛かり、矢倉という居飛車のカテゴリーに入る戦型は全てが得意戦法というバランスのよいイメージだ。千田にとっては近藤が最近連続で採用している矢倉はもちろんのこと、角換わりや相掛かりにも備えて事前…

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