劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』前作比115%のオープニング成績!『鬼滅』『コナン』に次ぐロケットスタート

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8月1日から8月3日までの全国映画動員ランキングが発表。今週も引き続き、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開中)が圧倒的な強さを見せつけ3週連続No.1の座に君臨。その現況を紹介する前に、今回は2位に初登場を果たした劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』(公開中)にフォーカスを当てたい。

■初日から3日間で動員67万人&興収9億円超え!狙うは“興収50億円”の大台突破

2021年にテレビドラマ、2023年に劇場版第1作が公開されてきた「TOKYO MER」シリーズ
2021年にテレビドラマ、2023年に劇場版第1作が公開されてきた「TOKYO MER」シリーズ / [c]2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会

2021年7月期にTBS「日曜劇場」で放送された鈴木亮平主演のテレビドラマの映画第2作となる劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』。全国435館で公開され、初日から3日間で観客動員数67万5130人、興行収入9億1127万1500円を記録。これは2年前に公開された前作対比115%のオープニング成績であり、今年公開作としては『鬼滅の刃』と『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(公開中)の“別格”2本に次ぐ堂々たるものだ。

また、直近の邦画実写の大ヒットタイトルと比較してみると、昨年暮れに公開され興収63億5000万円を記録した『はたらく細胞』(24)が初日から3日間で動員61万2000人&興収8億4500万円、昨年夏に公開され興収59億6000万円だった『ラストマイル』(24)が同動員66万2000人&9億7800万円だったので、動員数では両者を上回っている。興収がやや低いのは、初日の8月1日にサービスデーを導入している劇場が多いからであろう。それでも全国60館のIMAX上映で補えていることが窺える。

前作と同様、ランキングでは強敵が立ちはだかる…
前作と同様、ランキングでは強敵が立ちはだかる… / [c]2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会

これだけ立派な成績でスタートしても首位に立てなかったのは、言わずもがな相手が強すぎたから。前作も興収45億3000万円を記録する大ヒットとなりながら、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)と『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)のメガヒット2作に敵わず最高位は3位。“異例のヒット”だった前作で果たせなかった、大きな意味のある“2位”というわけだ。

その前作はゴールデンウィークの始まるタイミングに公開され、繁忙期の10日間で動員182万人&興収24億円と、トータルの半分以上の数字を一気に稼いでいた。やはりテレビドラマの劇場版が大きなヒットとなるためには、視聴者だった既存ファンの支え、すなわち続編を待ち望んでいたという期待値の高さが顕著にあらわれることが重要になってくるのであろう。その点では、初動成績で前作を上回ったことは大きなプラス材料。公開前日の夜に前作のテレビ放送が行われたことも寄与しているのかもしれない。

離島の火山が噴火する状況で、島民を救うべく絶体絶命のミッションに挑む
離島の火山が噴火する状況で、島民を救うべく絶体絶命のミッションに挑む / [c]2025 劇場版『TOKYO MER』製作委員会

洋邦問わず大作がひしめき合う夏休みシーズンに果敢に攻め込んだとはいえ、少なくとも実写邦画というジャンルのなかで客層が重なりそうな競合タイトルはあまり多くない。配給元の東宝は興収50億円をねらえるという自信をのぞかせており、その可能性は非常に高い。成し遂げることができれば『TOKYO MER』は、再ブーム中の“テレビドラマの劇場版”というジャンルにおいて、2020年代を代表するタイトルとなるはずだ。

■『国宝』が公開9週目にしてまたもや“前週超え”の成績を記録!

さて、3週連続で1位を達成した『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、この週末3日間で動員173万9600人、興収24億5700万円と、またしても3日間の成績とは思えない破格の数字を叩きだしている。

【写真を見る】『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』、公開3週目までの累計成績は『無限列車編』を上回る!
【写真を見る】『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』、公開3週目までの累計成績は『無限列車編』を上回る! / [c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

累計成績では動員が1255万8582人、興収が176億3955万7600円と、前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)の公開3週目末終了時点と比較しても動員では66万人ほど、興収では18億円ほど上回っている。そして早々に日本歴代興収ランキングのトップテン入り。まだまだ“旋風”は続いていく。

また公開9週目を迎えた『国宝』は、週末3日間で動員30万9000人、興収4億4100万円と、前週比109%の動員&105%の興収を記録して3位にランクイン。公開59日間の累計成績では動員604万人、興収85億円を突破し、こちらも日本歴代興収ランキングの78位(『世界の中心で、愛をさけぶ』とタイ)まで浮上している。

ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』は4位に初登場
ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』は4位に初登場 / [c]2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

4位には、ディズニー&ピクサーの最新作となる『星つなぎのエリオ』(公開中)が初登場。ひとりぼっちの少年エリオと、心優しいエイリアンの少年グロードンの冒険と友情を描いた同作は、初日から3日間で動員14万6000人、興収1億9200万円を記録。近年のピクサーの非続編タイトルである『マイ・エレメント』(23)のオープニング成績と比較すると57%のスタートとなった。

そしてランキングとは別に、先日まとめられた2025年上半期の邦画作品(2024年12月公開作品を含む)の興収上位10本にも簡単に触れることにしよう。トップはもちろん『名探偵コナン隻眼の残像(フラッシュバック)』で、『国宝』や『ファーストキス 1ST KISS』(25)など実写作品が6本も入る大健闘。特に10位の『366日』(25)まで、興収25億円を突破した邦画が上半期だけで二桁に乗ったのは初めてではないだろうか。上半期には洋画のヒット作も目立ち、この夏も映画館は大盛況。年明けに発表される2025年度の全国映画概況がいまから非常に楽しみになってくる。

実写邦画の快進撃が目立った2025年上半期。『国宝』は興収85億円に到達
実写邦画の快進撃が目立った2025年上半期。『国宝』は興収85億円に到達 / [c]吉田修一/朝日新聞出版 [c]2025映画「国宝」製作委員会

以下は、1〜10位までのランキング(8月1日〜8月3日)
1位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
2位『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』
3位『国宝』
4位『星つなぎのエリオ』
5位『事故物件ゾク 恐い間取り』
6位『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』
7位『仮面ライダーガヴ&ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー Wヒーロー夏映画2025』
8位映画『F1(R)/エフワン』
9位『木の上の軍隊』
10位『リロ&スティッチ』

今週末は、「ジュラシック」シリーズの新章となる『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日公開)、ホラー作家の背筋による同名小説を菅野美穂と赤楚衛二のダブル主演で実写映画化した『近畿地方のある場所について』(8月8日公開)、国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズ第32作『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』(8月8日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

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