第84期名人戦A級順位戦 近藤誠也八段-千田翔太八段 第3局の5

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先に利かすはずが…

 9一にできた馬を9二、9三と引いて飛車に当てた図の局面。評価値は少し先手に傾いているがコンピューター将棋の形勢判断は互角である。ここで[後]4四飛と逃げた手を千田は大いに悔やんだ。

 「[後]4六歩を利かし忘れてひどくなりました」が終局後の千田の第一声だった。「[後]4四飛が敗着ですね。手拍子というか[後]4六歩と取り込み忘れてしまって。近藤さんが相手ではもう勝てません」と千田は感想でぼやいた。

 本譜は図から[後]4四飛に[先]4五歩。4筋を取り込む後手の楽しみは、逆に先手から取られてしまった。[後]同飛なら[先]4六香[後]5五飛[先]5六銀[後]5四飛[先]6五桂と駒が躍動する先手が優勢だ。図では飛車取りに構わず[後]4六歩と取り込み、(1)[先]同銀なら[後]4四飛[先]4五歩[後]4二飛(参考図)なら互角だし、(2)[先]8四馬と飛を取れば[後]4七歩成[先]同金[後]4六歩が先…

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