
26日に投開票された台湾の最大野党・国民党立法委員(国会議員に相当)24人に対するリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票は、全ての選挙区で否決されて失敗するという一方的な結果に終わった。一時は推進派に勢いがあったとみられた台湾初の大規模リコールは意外な展開をたどった。
26日夕方、台北市中心部の立法院(国会に相当)そばで開かれた推進派の集会は沈痛な雰囲気に包まれた。開票速報がリコール反対票の優勢を伝えると、「なぜだ」との声が上がった。「まさかこんな結果になるとは誰も考えていなかった」(推進派団体幹部)
同じ頃、リコールの対象となった国民党の王鴻薇(おうこうび)立法委員は否決確実となって報道陣に「苦しい戦いだった」と認め、党などの支援で勝利できたと声を詰まらせた。2024年4月に国民党議員団の一員として訪中し、共産党幹部と会談したことで推進派から「親中派」と批判され、「リコール成立の可能性が高い一人」(台湾メディア)ともされてきた。
2月に始まった大規模リコール運動では、…
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