『知れば知るほどおもしろいお米のはなし』=柏木智帆・著

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 (三笠書房 知的生きかた文庫・847円)

 昨年、米不足に直面した際は恐怖を覚えた。当たり前の存在だった、主食のありがたさを痛感した。さらに「お米ライター」の柏木氏は、米が単なる農産物ではなく、歴史や文化を作った「日本の根っこ」と記す。

 氏は米農家の夫と田を耕し、炊き込みご飯をおかずに、白飯を食べるほどの米好き。わが国の米のルーツから「令和の米騒動」まで、丁寧に解説していく。

 米にまつわる意外なエピソードの数々に驚く。印象的なのが、日本史との関係を綴(つづ)った章の冒頭。農薬など使わず米を作る「自然栽培」は、本来「ユニワ農法」という。ユニワとは、「日本書紀」に記される「斎庭」。神をまつるために清めた場所を指す。

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