原田龍二語った「人間」38回 「美しくて愚かな生き物なんだ」 4WD不倫後も“丸裸”で磨いた「人間力」で愚直に向き合った

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 俳優・原田龍二(54)が主演する戦後80周年平和祈念映画「ハオト」が、きょう8日に公開される。原田は今作で戦争の狂気と人間の愚かさに触れ、平和への思いを再確認するきっかけとなった。俳優業以外にもユーモラスな性格を生かし、タレントとしてバラエティーや旅番組に多数出演。YouTuberとしても活動中で、登録者数29万人超のチャンネルで心霊の正体を追い求めている。さまざまなジャンルに果敢に挑み、一つの肩書にとどまることを知らず、「人間・原田龍二」と自称する原田に迫った。

 人間味にあふれた40分間だった。立ち上がって記者を出迎えた原田は「よろしくお願いいたします」と、深々とお辞儀。取材では実に38回も「人間」という単語を口にしたのだった。

 「ハオト」は、太平洋戦争中の精神病院が舞台。原田は戦争や軍を批判し、病人扱いされた元エリート海軍兵を演じた。戦後80年の今年、戦争映画に出演して「気持ちに従って、良い事も悪い事もするのが人間。人間というのは美しくて愚かな生き物なんだなと思った。映画では、人間の愚かさを感じた。人を殺せば英雄視されるなんておかしな話。戦争がなければ良いけど、起こしてしまうのが人間。人間がどういった生き物なのかを改めて考えた」と、大きく心を揺さぶられた。

 「今年の自分の作品で一番大事」と位置付ける重要な場面がある。肉親との惜別シーンで「僕は泣く演技ができない」と自虐しつつ、「この芝居は気持ちが乗った」と説明。同シーンを通じて「今生の別れを経験した人って(戦時中に)無数にいたと思う。こんな悲しい経験はね、する必要ない。今、平和に生活できているのは幸せだなと思うし、この幸せに感謝しないといけない」と、平和への思いを強くした。

 ブログやYouTubeのタイトルに「人間」「ニンゲン」という言葉を採用している。「僕は人間力を武器にしています。『俳優である』という事を隠れみのにしたくない。俳優、バラエティーもどれも一生懸命じゃないとダメ。手を抜いたら失礼な人間だし、そういう人間にはなりたくない」と言い、自らの肩書を「人間」と語る。

 2019年には“4WD不倫”を報じられたが、後の番組や新聞などのインタビューではNGにせずに“丸裸”で答えた。隠さない意図を問うと「より人間っぽいじゃないですか。あんなことやっても『俳優なので、そういう質問は…』と拒むのは、人間の道理に反するというか。さらけ出さなきゃいけない訳じゃないけど、その方が親しみやすいし、いろんな人の傷みも分かりたいなと思って。無傷な人間っていないから」と、おおらかな表情で返す。

 ピンチをチャンスに変えて、地道に人間臭くやってきた。人間力で参考にしている人物として「アントニオ猪木さん」を挙げ、「あの人もいろいろ失敗していろいろたたかれた。それでもイラクで人質を解放したりと、とにかく人間臭い」と尊敬の念を抱いている。

 どんな取材でも喜んで引き受け、街中で写真を求められても快く応じる姿勢だ。「求められることほど、うれしいことはない。全部がエネルギーになります。自分は失敗した人間だけど、僕を見て、これだけ元気にやっていけるんだというのを感じてくれたらうれしい」と笑顔。成功も失敗も糧にして、人間として研さんを積んでいく。

 ◆原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年10月26日生まれ、東京都出身。92年デビュー。96年、映画「日本一短い『母』への手紙」で日本アカデミー賞新人俳優賞。映像作品の他にバラエティー番組、旅番組でも活動。主な出演作は5代目佐々木助三郎役を演じたドラマ「水戸黄門」「相棒」シリーズ、映画「一月の声に歓びを刻め」、舞台「大奥」シリーズなど。特技は剣道、ホーミー。趣味は温泉、サンセットコーディネート、神社巡り、精霊探し。身長178センチ。

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