14thシングル「Love yourself!」の活動をもって日向坂46から卒業する富田鈴花(24)。8月5日に発売される1st写真集『鈴花サーキット』(光文社)のインタビューでは、グループでは異例だった自身の名前を冠した楽曲「SUZUKA」への思いや、卒セレやソロライブで同楽曲を披露しなかった理由、そして今後の活動についてなど、卒業直前の心境を明かしてくれた。
――写真集には「SUZUKA」の衣装を着ているシーンもありますが、ご自身の名前がタイトル、そして歌詞もご自身についての楽曲が来たときの心境はどんなものでしたか?
【富田】ひらがなひなたのセンターに決まった後、「この歌詞を1回見てほしい」とスタッフの方に言われて。その時に初めてタイトルと歌詞を見て、「これはちょっとまずいな…」っていうのが初めて思った感想でした(笑)。
――それはどういう意味の「まずいな…」だったんですか?
【富田】これを全員でやるのは違うんじゃないかっていう気持ちがはじめは1番大きかったです。だから、秋元先生には申し訳ないと思うんですが、うれしいっていう気持ちにはすぐなれなかったですね。
――メンバーの皆さんはどんな反応でしたか?
【富田】みんなの最初の反応は私もあんまりわからないですね…。どうだったんだろう…?(笑)。でも私はこの曲でひらがなメンバーの新しい魅力とか、いつもとは違う一面を見ていただけたらなということを一番に考えようと思っていて、とにかく9人のことしか頭になかったです。
――その時期はご自身の中では卒業することを考えていた?
【富田】そうですね。でもまだメンバーには伝えていなくて。
――富田さんがご卒業されることは秋元先生も知っていたんでしょうか?
【富田】分からないんですが…でも不思議なタイミングだったなと思います。
――タイトルのまま富田さんらしさがあふれた楽曲で、曲調もすごく合っていたように感じました。
【富田】私もあの曲調すごく好きなんです!
――MVでは、曲が終わってからのトークシーンも印象的でしたね。
【富田】そうなんです。あそこがなかったらこのMVは完成してなかったなって思います。私、自分がセンターになるなんて思っていなくて、活動中も「自分はそういう場所で需要ないと思う」って言ってたんですけど、誰かがあれを汲み取ってくださっていたのかなと思って。本当に最後は本音の自分だったので、センターに立つことのうれしさもありつつ、「自分はそういう器じゃない」とも思っていたので、最後のシーンがあったことで自分の中で救われた気がしました。
――それを経て「Love yourself!」が卒業シングルとなりました。そのタイミングで二期生から四期生の全員での表題曲というのはどう感じましたか?
【富田】まさに「最後は全員選抜の時に卒業できたらいいな」と思っていたんです。ひらがなライブで9人が一致団結してすっごく仲良くなって、みんなが私にもリスペクトを持って活動してくれているのが伝わって。後輩のみんなからそういう気持ちも感じていたときに、最後の楽曲で「自分を愛そう」というメッセージで。さらに五期生の楽曲は「ジャーマンアイリス」っていう紫色の花で(自分のサイリウムカラーがパープル×パープル)…すごく私個人として勝手に思い入れの深いシングルになりました。表現って自分から結びつけにいかないとできないものだと思うんですが、今回はすごく結びつきやすいシングルだったなと思って、心の中で1曲1曲かみしめて活動していました。
――この前の配信ライブでの卒業セレモニーもありましたが、改めて振り返っていかがですか?
【富田】配信ミニライブって、ファンの方がいない状態でのパフォーマンスなので、みんなも逆に緊張したりするんです。でも配信ミニライブだからこそできたこと、出てきた感情もあったと思います。いつもだったら普段は裏方にいるスタッフさんが見える場所でペンライトを振ってくれていて、最後の「君に話したいこと」では号泣しちゃいました。ファンの皆さんも配信で見てくださって、こういう形も“あり”だったなって最終的に思うことができました。
――この後にはソロライブも控えています。(取材時)今の心境はいかがですか?
【富田】みんなにどれだけ頼っていたかをすごく感じますし、本当に「1人じゃなんもできないな」って改めて思いました。でも、これから一人で頑張っていくためにも、リハーサルしながら「ここを乗り越えたらまた新しい自分になれるぞ」と思いながら頑張っています。
――ソロライブでは「SUZUKA」も歌われる?
【富田】個人的な思いなんですけど、私はひらがなライブで「SUZUKA」は終わりにしたいと思っていて。
――なるほど。
【富田】それは私なりの“美学”でしかなくって。でもそれを皆さんに共有したい気持ちもあって。なので、日向坂46で自分が思い入れのある曲、自分が表現するとこう変わるだろうなという曲をセットリストに組みこませてもらいました。
――ソロライブも楽しみにしています。では、日向坂46の富田鈴花としてラストライブを前に、このアイドル活動を振り返ると、どんな8年だったのでしょうか。
【富田】楽しいこととつらいことの割合で言うと、私の中ではつらいことの方が多かったと思います。でも、そのつらいことを咀嚼して、受け止めて、受け入れて、今の自分が出来上がっている。なので、自分にはなくてはならない時間だったなと思っています。日向坂46という大きなグループで、デビューメンバーとして“核”となる時間を、卒業された一期生や同期の二期生と築いてこれたのは本当に大きな財産だと思っていて。それを三期生、四期生、五期生がつないでくれて、また違った魅力のグループが生まれるのかなと思うと…日向坂46にはメンバーに卒業はあるけど、グループには終わりはないと思うので、長く愛される存在であってほしいなと思います。
――そうした日向坂46としての経験を経て、今後どう人生を歩んでいきたいですか?
【富田】私はポジティブな部分も、ネガティブな部分も含めて“人間らしさ”を大切に生きていきたいなって思います。自然でそのままの私で、これからもこの世界で頑張っていきたいという強い意志がありますし、グループにいた時よりも、もっともっと貪欲になっていきたいと思っています。
日向坂46富田鈴花、グループでも異例だったセンター曲「SUZUKA」への思いを告白「まずいな…って」【インタビュー】
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