「悲しい事故二度と…」 母親が娘の母校で訴え 高3給食死亡事故

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大分県立南石垣支援学校で教職員や保護者を前に講演する林香織さん=別府市石垣西1で2025年8月1日午後2時30分、山口泰輝撮影 拡大
大分県立南石垣支援学校で教職員や保護者を前に講演する林香織さん=別府市石垣西1で2025年8月1日午後2時30分、山口泰輝撮影

 2016年に別府市の大分県立南石垣支援学校で給食を喉に詰まらせて死亡した高等部3年の林郁香さん(当時17歳)の母香織さん(55)が同校で講演し、教職員や保護者約100人に向けて娘を失った悲しみや再発防止を訴えた。

 郁香さんは16年9月15日、校内のランチルームで給食を喉に詰まらせて意識を失い、17日後に死亡した。重度の知的障害があり、給食時は教師が見守ることになっていたが、担当教師はその場を離れていた。

 香織さんは、この事故を多くの人に知ってもらい、再発防止につなげるため、18年から県内外で20回以上の講演を重ねてきた。1日の講演では郁香さんの生い立ちや思い出、事故当時の詳しい状況について説明した。

 事故は来月で発生から9年となる。香織さんは声を震わせながら「郁香を思い出さない日は一日もありません。もう二度と悲しい事故が起こらないよう、誰もが最期まで自分らしく幸せに生きられるような社会になることを願っています」と訴えた。

 県教育委員会によると、同校は26年4月に別府市野田の旧県立別府羽室台高校に移転し、「県立別府やまなみ支援学校」と改称する予定。香織さんは「ここに来ることは本当につらいが、ここに来れば、郁香がいたことを思い出せる場所だった。(移転しても)安心安全な学校になることを願っています」と語った。

 県立南石垣支援学校の堂脇真理子校長は「学校として守るべき命を守りきれなかったことに責任の重さを痛感している。再発防止に向けた取り組みを決して怠らず、みんなに信頼される学校を目指していく」と話した。【山口泰輝】

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