第107回全国高校野球選手権大会に出場中の広陵(広島)は10日、出場を辞退すると明らかにした。広陵を巡っては、部員による暴力事案が発覚していた。大会中に不祥事で辞退するのは異例だ。これまでの経緯を振り返る。
◇暴力事案を巡る経緯
◇1月
1年生部員が部で禁止されているカップラーメンを寮内で食べたとして複数人の上級生から暴行を受ける。学校側は、ほおや胸をたたくなどしたことを確認
◇3月
広陵からの報告を受け、日本高校野球連盟は野球部に対する「厳重注意」を決定。3月末に転校した被害生徒の保護者は「学校が確認した事実に誤りがある」と訴える
◇7月26日
広陵が3年連続26回目の全国選手権出場を決める
◇7月下旬以降
野球部で暴力問題があったとする情報がSNS(交流サイト)上で急速に拡散
◇8月5日
一部報道を受け、日本高野連は、この件は3月に審議し、厳重注意の措置をした事案であると発表。学生野球憲章に基づく規則では、注意・厳重注意は原則公表しないと定めているが、広がりを受けて対応
◇8月6日
広陵が事案の詳細と調査結果を公表。SNSで拡散されているような情報は新たに確認できなかったと説明した。大会本部は大会出場の判断に「変更はない」と発表
◇8月7日
全国選手権1回戦で広陵が旭川志峯(北北海道)に勝利。試合後、大会本部は今年1月の暴力事案とは別件で、被害を訴えている元部員から日本高野連に情報提供があったが、その内容は確認できなかったと発表。学校が第三者委員会を設置し、調査中と説明
◇8月10日
広陵が出場辞退を発表
※広陵や全国選手権大会本部などの説明による
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