緊急避妊薬8年、勃起不全治療薬半年 市販化議論スピード格差の中身

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緊急避妊薬(アフターピル)の「レボノルゲストレル錠」=東京都足立区で2025年6月26日、内藤絵美撮影
緊急避妊薬(アフターピル)の「レボノルゲストレル錠」=東京都足立区で2025年6月26日、内藤絵美撮影

 医師の処方箋がないと薬局で購入できない「緊急避妊薬」の市販化に向けた議論が大詰めを迎えている。有識者らによる8年がかりの検討会議が終わり、近く国の審議会で可否が決まる。一方、同じ検討会議で「勃起不全(ED)治療薬」は半年で議論が終わった。7年半の違いに「女性差別」との意見もあるが、なぜこのような不均衡が生じたのか。

WHOは市販化を推奨

 避妊の失敗や性暴力など意図しない妊娠を防ぐ緊急避妊薬「レボノルゲストレル」はアフターピルとも呼ばれ、性交から72時間以内に服用する。主な作用機序は排卵を止める、または遅らせることで、流産は引き起こさない。世界保健機関(WHO)は「必須医薬品」に指定し、処方箋なしで入手できることを推奨している。既に約90カ国・地域で市販化されている。

 5月23日にあった厚生労働省の評価検討会議。市民団体「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」のメンバーが参加し、共同代表の福田和子さんは「意図しない妊娠の不安を抱える全ての女性にアクセスする権利がある。議論は尽くされており、一刻も早い市販化を」と訴えた。

 日本は2024年10月、国連の女性差別撤廃委員会から緊急避妊薬へのアクセスを改善するよう勧告を受け、2年以内の対応状況の報告を求められている。23年度の国内の人工妊娠中絶件数は12万6734件で、近年は下げ止まっている。

 この検討会議で市販化に向けた議論が始まったのは8年前の17年7月だ。パブリックコメント(意見公募)では賛成の意見が9割以上を占めたが、4カ月後に会議は「時期尚早」として認めない結論を出した。

 ただ、…

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