阪神甲子園球場で8日にあった綾羽(滋賀)と高知中央の試合は、午後10時46分に終了した熱戦でした。試合は春夏通じて初出場の綾羽が6―4で勝利。試合後には、球審が綾羽の選手にウイニングボールを渡す珍しい光景もありました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「綾羽の甲子園初勝利」を解説します。
Q 試合が遅くまで続いたのはどうして?
A 第3試合が雨で67分中断したため、第4試合の綾羽-高知中央の開始が午後7時49分と遅くなり、午後10時を過ぎて延長戦に入ったのです。
Q 午後10時を過ぎても試合を続けてよかったのかな。
A 今大会では午後10時以降は新しいイニングに入らないルールでしたが、継続試合になれば後日にわずかな時間のために選手らが再来場することになります。両校の「少し(時間が)延びても最後まで試合をしたい」という意向を試合前に確認しており、特別にタイブレークに入った延長十回のみ実施することになりました。
Q 十回の攻防はどうだったの?
A 十回表、綾羽は主将の北川陽聖選手の2点三塁打などで4点を取りました。高知中央も2点を返しましたが、綾羽が逃げ切りました。試合終了は午後10時46分で、試合時間が確認できる第35回大会(1953年)以降では、試合開始、終了ともに最も遅い時間となりました。
Q ウイニングボールをもらった選手がいたんだって?
A 綾羽の浜野廉選手が試合後、球審にボールを返そうとしたところ、「そのまま持っておきなさい」と言われ、受け取りました。
Q 浜野選手や監督の反応は?
A 浜野選手は「まさかいただけると思わなくて。これは野球部だけじゃなくて、綾羽を応援してくれた全員でつかんだ記念のボールなのでうれしかった。監督に渡したいと思います」と話しました。千代純平監督は「今まで甲子園に向けて挑戦してくれた先輩がいたからこの初勝利があります。今日は人生で初めて味わう特別な感情の日です」と語りました。
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