逆転に大歓声 県岐阜商、強力打線の勢いとどまらず 夏の甲子園

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【日大山形-県岐阜商】試合に勝利し、校歌を歌う県岐阜商の選手たち=阪神甲子園球場で2025年8月11日、玉城達郎撮影 拡大
【日大山形-県岐阜商】試合に勝利し、校歌を歌う県岐阜商の選手たち=阪神甲子園球場で2025年8月11日、玉城達郎撮影

 第107回全国高校野球選手権大会(日本高野連、朝日新聞社主催)は11日、1回戦で岐阜県代表の県岐阜商が日大山形(山形)を6―3で降した。

 無安打のまま四回までを終え、岐阜大会6試合で53点を奪った強力打線は沈黙したかに見えた。しかし五回、1死二塁から横山温大(3年)が同点適時打を放ち、口火を切る。さらに渡辺璃海(2年)が2死三塁からの適時打で逆転と畳みかけた。

 「(横山が)重い雰囲気を変えてくれた。彼なら打てると思った」。藤井潤作監督は全幅の信頼を置く横山をこうたたえた。

 2―1と鮮やかに逆転すると、スタンドは大歓声に包まれた。スタンドで見守っていた野球部の太田武秀投手(3年)は、下宿先で横山、渡辺両選手が熱心に練習する姿を見ていたといい「いつもの練習の成果を出してくれている」と喜んだ。県大会の2回戦で先発を任されたが、右肘のけがでベンチ入りはならなかった。だがスタンドからの声援で仲間を後押ししようと力いっぱい声を張り上げた。

 先発を託されたのは、岐阜大会5試合で登板し28回を1失点と好投した柴田蒼亮(2年)。スタンドから応援していた母の柴田実咲さんは「普段は恥ずかしがり屋なんです」と評するが、一回に先制の1点を許したものの、その後八回までは0点に抑える堂々とした投球ぶりで完投した。

 六回裏が始まるところで、試合は雨のため、1時間近く中断。しかし、選手たちは集中力を切らさなかった。七回、さらなる好機が訪れた。1死満塁で稲熊桜史(2年)の適時打、坂口路歩(3年)の2点適時打などで一挙4点を加えて引き離し、試合を決定づけた。強力打線の勢いは甲子園でもとどまることなく、のびのびと力を発揮した選手たちに、スタンドから大きな声援が送られた。【道下寛子、資野亮太】

県岐阜商・藤井潤作監督

 序盤は相手投手に苦戦したが、中盤から変化球を狙って低い打球を打ってくれた。先発の柴田もよく完投してくれた。ただ研究されていると思う場面が多く、甲子園に来たと痛感した。

県岐阜商・河崎広貴主将

 終始ベンチに焦りはなく、自分たちの野球ができた。普段から雨には慣れているので中断も想定内だった。横山が打つとチームは流れに乗るので、適時打を放つなどいい活躍をしてくれた。

女子だけ応援団、盛り上げる

県岐阜商にエールを送る応援団長の岩田祐奈さん=兵庫県西宮市で2025年8月11日午前10時12分、資野亮太撮影 拡大
県岐阜商にエールを送る応援団長の岩田祐奈さん=兵庫県西宮市で2025年8月11日午前10時12分、資野亮太撮影

 県岐阜商の「名物」とも言われる学ラン姿の女子だけの応援団。この日も全力の発声とキレのある演舞で、生徒やOBら約1600人が集まったアルプススタンドを盛り上げた。応援団長の岩田祐奈さん(3年)は「自分たちの声で勝利に導きたい。いつも通りやってくれれば絶対勝てる」と気合十分。岩田さんが「応援の華」と話した「突撃」のテーマが流れると一層演舞に熱がこもり、スタンドの熱気は最高潮に達していた。

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