全国高校野球選手権大会は第6日の11日、第4試合に春夏通じて甲子園初出場の豊橋中央が登場した。アルプススタンドには、愛知大会決勝で対戦したライバル・東邦のマーチングバンド部員約50人が「友情応援」に駆けつけた。
豊橋中央の吹奏楽部は数人しかいないため、愛知大会では野球部員らが声で応援したが、甲子園を前に常連校である東邦に応援を依頼した。
東邦は攻撃の最初に演奏する曲「戦闘開始」が有名だ。「戦闘開始!」という掛け声とともに始まるメロディーは、高校野球ファンの人気を集める。
この日も「戦闘開始」が流れると、内野席で手拍子を始める観客もいた。
萩本将光監督は試合前、「今朝から選手は、試合のことよりも東邦さんの応援のことばかり話している。『戦闘開始!』って歌い始めて、応援ばかり気にしちゃって」と苦笑しながら明かした。
さらに、萩本監督は「東邦さんは野球部もですけど、学校を挙げた応援も本当に素晴らしい。その応援がうちの子どもたちの背中を押してくれると思うと、すごく力になります」と感謝した。
演奏予定の約30曲のうち、20曲以上はこの日のために新たに練習したという。
東邦のマーチングバンド部長の三冨彩名さん(3年)は「できる限りのことはやってきました。他校ではあるが、決勝を一緒に戦った敵でもあり仲間でもあると思っている。今回は仲間として、勝ってほしいという一心で応援したいです」と話した。【円谷美晶】
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