トランプ氏がワシントンに州兵派遣表明 犯罪状況「制御不能」と主張

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記者会見したトランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウスで2025年8月11日、ロイター 拡大
記者会見したトランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウスで2025年8月11日、ロイター

 トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで記者会見し、首都ワシントンに州兵約800人を派遣し、地元警察を連邦政府の管理下に置くと表明した。ワシントンの犯罪の発生状況が「制御不能」だと主張し、「州兵を派遣して法と秩序と公共の安全の再確立を支援する」と説明した。

 連邦政府の統計によると、昨年のワシントンの犯罪発生率は過去30年で最低水準を記録したといい、野党民主党は「根拠がない」などと批判している。

 ホワイトハウスの記者会見室に閣僚らを伴って現れたトランプ氏は「私たちの首都は暴力的なギャングや血に飢えた犯罪者、暴徒化した若者、薬物中毒者、ホームレスに占拠されている」との持論を展開。「(ワシントン)DCを世界で最も安全で清潔で美しい首都にする」と宣言した。会見に先立って非常事態を宣言する大統領令に署名したことを明かし、ボンディ司法長官が地元警察を指揮すると述べた。

 これらの措置は、連邦議会の承認なしに最大30日間継続できる。トランプ氏は、必要があれば正規軍を投入する考えも示し、民主党が優勢な他の都市への州兵派遣の可能性もあると明かした。

 トランプ氏は大統領選中の昨年7月にも、ワシントンで犯罪が多発しているとして「首都を取り戻さなくてはならない」などと訴えていた。「政府効率化省(DOGE)」の職員が市内で自動車盗を企てた少年らに暴行されて重傷を負う事件があった8月上旬には、迅速な治安強化に取り組まなければ連邦政府が市の統制に乗り出すと自身のソーシャルメディアで警告していた。

 ワシントンの連邦検事局によると、昨年1年間の殺人や強盗などを含む暴力犯罪の発生件数は、前年比で35%減少したという。民主党のジェフリーズ院内総務はX(ツイッター)でトランプ氏が「根拠のないまま地元警察の統制を奪った。法と秩序の問題における信頼はゼロだ」と非難した。

 トランプ氏は今年6月にも、西部カリフォルニア州ロサンゼルスで不法移民の取り締まり強化に反対する抗議デモが発生すると、地元知事らの反対を押し切って一方的に州兵や海兵隊の派遣を決定したことがある。【ワシントン金寿英】

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