答える人・神谷雄介院長(巣鴨駅前胃腸内科クリニック・消化器科)
Q 大腸憩室出血に打つ手はないのか
下血と血便があり投薬治療を受け、3カ月後の検査で大腸憩室出血と診断。薬がなく手術で悪化するとのこと。治療法はありますか。(神奈川県、84歳、男性)
A 対症療法が複数あります
大腸憩室は大腸の壁の一部が外側にふくらみ、袋状になった状態を指します。加齢や食生活の変化、便秘などが原因で腸壁が弱くなり、腸の内圧が上昇すると発生します。大腸にできた憩室から出血することを憩室出血と呼びます。憩室内の血管が破れる▽慢性的な便秘や腹圧上昇▽アスピリンなど抗血栓薬使用▽加齢による血管脆弱(ぜいじゃく)化▽腸内細菌や便の圧迫による炎症――が原因で起こります。
完全に予防することは難しく、食物繊維や水分を十分に取って便通を良くしてください。便秘になったら放置せず、適度な運動をして、排便時も息まないことが大切です。憩室ができた場合は無症状でも、便秘にならないよう注意するのに加え、規則的な排便習慣をつけ、唐辛子やアルコールなどの刺激物を控えることや、重たいものを持ち上げるような腹圧の高くなる動作を避けましょう。
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