80回目の終戦の日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれる。天皇、皇后両陛下や石破茂首相らが参列し、日中戦争や第二次世界大戦で犠牲になった約310万人を悼む。戦後生まれの参列者が初めて半数を超え、世代交代が進む中での開催となる。
式では首相の式辞に続いて、正午の時報に合わせて参列者が1分間の黙とうをささげる。その後、天皇陛下がおことばを述べられる。
遺族を代表しての追悼の辞は、朝鮮海峡で陸軍兵士だった父を亡くした埼玉県川越市の江田肇さん(82)が述べる。
厚生労働省によると、付き添いを除く参列予定の遺族は3432人。新型コロナウイルス禍を経て5年ぶりに従来並みの規模となった前年より約200人増えたものの、4989人が参列したコロナ禍前の2019年よりも少なくなった。
参列遺族も高齢化が進み、戦没者の配偶者は4年ぶりにゼロとなった。おいやめい、孫といった戦後生まれの割合は年々増加。今回は約53%で過去最高となる。
遺族の最年長は98歳の戦没者の弟。きょうだいは86人が参列する予定。
日中戦争と第二次世界大戦では軍人・軍属230万人、民間人80万人が犠牲になった。海外での戦没者のうち半数近い112万人分の遺骨を今も収容できていない。厚労省は今年5月、約1000体の集団埋葬地が確認されたパラオ・ペリリュー島での遺骨収容について、現地政府から協力を得ることで合意するなど取り組みを続けている。【肥沼直寛】
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