
野生のニホンザルの群れで仲間の死骸に対し、親しかったサルの一部が近づいたり毛づくろいしたりし、まるで死を悼むかのような行動をとることが分かったとの研究成果を、大阪大の中道正之名誉教授の研究グループが8日までに、日本霊長類学会の国際学術誌に発表した。行動は生前親しかったサルの間に限られ、人間の死生観との類似性がうかがえるとしている。
中道氏と山田一憲准教授らは、岡山県真庭市の「神庭の滝」周辺に生息するニホンザルの集団を調査。えさ場での観察を中心に、サルの顔を覚えて識別をした上で、個体間で一緒にいる回数などを記録してきた。サルの死を直接観察することは難しいが、1990年以降で4例の確認に成功したという。
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