大竹文雄・評 『可視化される差別』=五十嵐彰・著

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 (新泉社・3850円)

感情論に走らず客観的に説く「入門書」

 7月20日の参議院選挙では、外国人規制が争点になった。海外では移民に対する規制を厳しくすべきだという政党への支持が高まっている。日本でもその動きが出てきた。背景には、1990年までは1%未満だった外国人人口比率が2024年では約3%まで上がってきたという変化がある。自治体の中には、10%を超えているところもある。また、外国人観光客が急増し、地域によってはオーバーツーリズムが発生しているということもあるかもしれない。

 外国人労働者が自国労働者の賃金や雇用に与える影響について、経済学の研究結果は、影響がないかプラスの影響を与えるというものだ。悪影響があった場合でも短期的だという。なぜ外国人労働者への反対が生じるのかは、経済学的には謎だとされていて、文化的な影響の可能性が議論されている。外国人労働者に反対するだけでなく、それが外国人差別につながるとしたら問題だ。

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