アン・ドヒョンさん 『あさみどりの引っ越し日』

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 (五十嵐真希・編訳、クオン・2420円)

「互いに通じるものがある」

 韓国を代表する詩人の詩選集。これまで発表してきた詩集の10作から66編を選び、年代ごとに並べている。デビューから40年以上。韓国の激動の時代をくぐり抜けてきた詩人の言葉、その変遷と本質を感じ取ることができる。

 1961年生まれ。「最初の20年は民主化や南北統一、労働問題などの大きなことに関心がありました。民主化した90年代以降は大きなものではなく、身の周りの小さなものに関心が移っていきました。平穏な時期にこそ、詩人は悩む必要があります」

 日常のささいな一場面の背後に、厳しい社会的な現実や民族の問題が直接、間接的に姿を見せる。時代が進み、恋をうたい、自身を問うた詩にも、現実との緊張感は失われず暗喩に満ちる。詩人の言葉は平易だ。対象を観察し、共鳴する優しく繊細なまなざしは変わらない。

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