昼のカフェでディスコ・フィーバー シニア世代に人気じわり 大阪

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懐かしの音楽に合わせて踊る参加者たち=大阪市都島区で2025年6月22日、林みづき撮影 拡大
懐かしの音楽に合わせて踊る参加者たち=大阪市都島区で2025年6月22日、林みづき撮影

 もう一度若き頃のように夜遊びを――。シニア世代が思い思いに踊るダンスイベント「シニアディスコ」が人気を集めている。健康維持に役立つだけでなく、その日限りの気楽な人間関係や高いエンターテインメント性が魅力だ。

懐かしの音楽に合わせて踊る参加者たち=大阪市都島区で2025年6月22日、林みづき撮影 拡大
懐かしの音楽に合わせて踊る参加者たち=大阪市都島区で2025年6月22日、林みづき撮影

 日曜日の昼間、ダンスフロアとなる大阪市都島区のカフェには開場前から中高年を中心とした参加者が続々と集まった。開催は夜ではなく日中が多い。友人同士や親子で来る人もいれば、一人での参加も少なくない。

 踊り慣れていなくても全く心配ない。プロダンサーに導かれ、まずは腕を曲げ伸ばししたり、両手をグーパーしたりして、軽いストレッチで体を温める。

「シニアディスコ」を主催する箱田成司さん(左)、佐々木さやかさん(中央)と神野太志さん=大阪市都島区で2025年6月22日、、林みづき撮影 拡大
「シニアディスコ」を主催する箱田成司さん(左)、佐々木さやかさん(中央)と神野太志さん=大阪市都島区で2025年6月22日、、林みづき撮影

DJは社会福祉士

 DJを務めるのは、社会福祉士でもある箱田成司さん(43)。ラッツ&スターの「め組のひと」や「ヤングマン」といった往年のヒット曲を流すと、最初は遠慮がちだった人も全身を揺らし始めた。青春時代を思い出しながら左右にステップを踏み、両手を上げて飛び上がる。大阪市城東区の女性(68)は「無になって、思い切りストレスを発散できるんです」と笑顔。うっすらと汗をかいていた。

 けがを防ぐため、休憩も必ず取り入れる。ピアノの弾き語りによるミニライブを取り入れ、座って心身を落ち着かせてもらう。休憩後は、熱気のあふれるフロアで再び体を揺らし、計1時間半のプログラムはあっという間に終わった。

 シニアディスコは、箱田さんの他、社会福祉士の佐々木さやかさん(50)とグラフィックデザイナーの神野太志さん(47)の3人が「シニアディスコを広める会」として主催している。

 きっかけは、佐々木さんが社会福祉協議会に勤めていた頃のこと。体操教室など高齢者の地域活動を支援する中で、住民同士の深いつながりが苦手だという女性と出会った。「昔通ったディスコのように踊りたい」という女性の言葉をヒントに、高齢者の集まる夕食会で余興としてディスコを開催。大盛況だったため、単独イベントとしてシニアディスコを始めた。

 取材した日は昼と夕の2部制で、20~80代までの男女約50人が参加。過去の最高齢は96歳で、92歳の常連もいる。交流サイト(SNS)を使って集客しているが1日半で定員が埋まり、10人以上のキャンセル待ちが出た。

気軽に参加で「非日常」

 人気の理由には、地域社会に根ざした老人会やサークル活動との違いがある。老人会などは比較的密接な人間関係によって成り立つ一方、シニアディスコでは名前や住んでいる場所すら知らない人同士がその場限りで一緒に音楽やダンスを楽しむ。大阪市都島区の女性(66)は「非日常を味わえる。前回は友人と来たが、一人でも十分楽しかった」と話す。

 佐々木さんは「地域では、濃い関係を持ち、仲良くし合うことが大前提。それになじめず、気軽で刹那(せつな)的なコミュニティが合う人もいる。高齢者のためのエンタメや、人とのつながり方がもっと多様になるといい」と話している。

 シニアディスコの開催予定などは、公式ホームページ(https://www.seniordisco.com/)から。【林みづき】

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