憎まれ役になってでも 女性初の連盟会長が見つめる将棋の未来像

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検討すべき課題などについて語った清水市代日本将棋連盟会長=東京都渋谷区で2025年7月28日、小林努撮影
検討すべき課題などについて語った清水市代日本将棋連盟会長=東京都渋谷区で2025年7月28日、小林努撮影

 日本将棋連盟初の女性会長に就任した清水市代女流七段(56)が会長としての一歩を踏み出し、2カ月が過ぎた。

 藤井聡太名人によるブームが続く将棋界全体、そして女流棋界の未来を見据える清水新会長。女流タイトル戦の産休規定や日本女子プロ将棋協会との関係など、検討すべき課題は目白押しだ。

 インタビューの前編はこちら
 ブームは永遠ではない 清水市代・日本将棋連盟新会長が抱く危機感

産休規定、次期の優遇も

 ――将棋界のこれからの課題は何でしょうか。

 清水新会長 いくら将棋界が注目されているといっても、競技人口が爆発的に増えているわけではありません。向かい合って指して初めて交流があって将棋の良さが出てくるので、実際指す方を増やしたい。今はインターネットがあって遠くにいても画面を通じて指せますけど、実際に盤や駒に触れていただきたい。全国に棋士や女流棋士が行って触れ合っていただく企画を増やしたいです。

 地方で精力的に将棋教室を開いている方を手助けしつつ、将棋連盟としても何かやっていきたいというのはありますね。ちょっと大きすぎる目標ですが、地域の活性化に将棋で貢献したい。道場や教室は経営自体が大変なので、連盟がただ見ているだけではダメだなと思っています。

 ――昨年、白玲戦と女流王将戦の二つのタイトル戦で妊娠中の体調不良により福間香奈さんが不戦敗になりました。新たな産休規定の検討状況は。

 ◆タイトル戦は何年も前から本当にびっちり日程が決まっています。それをずらそうとすると、その棋戦だけではなく全体に影響してしまいます。母体とお子さんのためにはしっかり休んでいただくのが本来一番いい形だと思うので、そういう形の規定を作って運用しています。

 では、出られなかったらそれで終わりなのかっていうと、そうではなく、棋戦ごとにその方を次の期にどうするかというのを考えたうえでの規定でないといけない。次の期の優遇措置のような形を棋戦ごとに検討しています。

 ――他の棋士より有利な位置でスタートする「スーパーシード」でしょうか。

 ◆スーパーシードにしても、全部がリーグのもの(白玲戦)、トーナメントとリーグのもの(女流名人戦や女流王位戦)、全部トーナメントのものとがあって、スポンサーの考え方が全部違うので、棋戦ごとに決める必要があります。

 安心してお子さんを産んでいただくのが一番。最終的には連盟が女流棋士からの憎まれ役になってでも、厳しくてもきっちりとしたルールを作っていきたい。

 ――女流棋士は2007年から日本女子プロ将棋協会(LPSA…

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