「翔哉真」は阪神の代打の神様から 東洋大姫路・白鳥 夏の甲子園

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【花巻東-東洋大姫路】八回裏東洋大姫路1死二塁、白鳥が適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月15日、西夏生撮影 拡大
【花巻東-東洋大姫路】八回裏東洋大姫路1死二塁、白鳥が適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月15日、西夏生撮影

 東洋大姫路(兵庫)の4番打者に打順が回ると、阪神ファンに親しまれた疾走感あるメロディーと歌詞が、甲子園の夏空に響き渡る。

 阪神一筋で20年以上もプレーし、「代打の神様」を代名詞に活躍した桧山進次郎さん(56)の応援歌だ。

 全国高校野球選手権大会。アルプスの大応援を背に、左打席に立つ選手の名は、白鳥翔哉真(ひやま、3年)。夢に見た光景に立ち会い、名付け親の父・一馬さん(49)の胸は熱くなる。

兄は家族の反対で断念

アルプススタンドから応援する東洋大姫路の白鳥翔哉真選手の父・一馬さん(左)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2025年8月15日、川村咲平撮影 拡大
アルプススタンドから応援する東洋大姫路の白鳥翔哉真選手の父・一馬さん(左)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2025年8月15日、川村咲平撮影

 「どこにでもいる阪神ファンですよ」。一馬さんは自身のことを評し、笑った。

 いつからなのかも、何がきっかけだったのかも、はっきり覚えていない。ただ、桧山さんの左中間を破る打球が格好良くて、応援した。

 大学で野球を続けている3歳上の兄が生まれた時、「ひやま」の名前を候補の一つにした。だが、家族の反対で断念した。

 その後、弟の白鳥選手が誕生した。一馬さんはもう一度提案し、画数も考慮して「翔哉真」と名付けた。

【花巻東-東洋大姫路】六回裏東洋大姫路1死二、三塁、白鳥が2点適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月15日、岩本一希撮影 拡大
【花巻東-東洋大姫路】六回裏東洋大姫路1死二、三塁、白鳥が2点適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月15日、岩本一希撮影

 野球をすることを押しつけたことはない。それでも阪神戦を一緒に観戦していると、白鳥選手は1歳で「六甲おろし」を口ずさんでいた。自然と野球にのめり込み、一馬さんも全力でサポートした。

 理想の打撃を2人で追い求め、今は左中間への鋭い打球が、白鳥選手の好調を示す指標になっている。2回戦の花巻東(岩手)戦は、左中間への打球を含む3安打4打点の大活躍だった。

 試合後、白鳥選手は「応援を聞いてゾッとするような、すごい興奮を感じながら、楽しめました」と心地よく汗を拭った。

 小学生の頃から、冗談半分で2人で話した「桧山の応援歌を背に、甲子園で打席に立つ」景色は、現実のものになった。

アルプススタンドから応援する東洋大姫路の白鳥翔哉真選手の父・一馬さん(左)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2025年8月15日、川村咲平撮影 拡大
アルプススタンドから応援する東洋大姫路の白鳥翔哉真選手の父・一馬さん(左)=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2025年8月15日、川村咲平撮影

 大好きな甲子園で、大好きな桧山さんの応援歌が流れ、大好きな息子が活躍している。

 「この気持ちは、私にしか味わえませんよね」

 一馬さんは幸せをかみ締めながら、最高の夏を過ごしている。【川村咲平】

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