NHKは10日、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第31回「我が名は天」で、女優の小野花梨が好演してきたふくが悲劇的な死を迎えたことを受け、小野のコメントを発表した。
天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期を舞台に、親なし、金なし、画才なし…ないない尽くしの生まれから歌麿、北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見いだし、写楽を世に送り出して“江戸のメディア王”として時代の寵児となった快男児「蔦重」こと、蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)の波乱万丈の物語。
ふくは、吉原の松葉屋で、座敷持ちの女郎・うつせみとして生きていたが、浪人の小田新之助(井之脇海)と出会い、足抜け。その後、農民として暮らすなか、浅間山の噴火の影響で流民となり、蔦重(横浜流星)の世話になりながら、なんとか糊口をしのいでいた。新之助との間に赤ん坊(とよ坊)が生まれたばかりだったが、流民により、赤ん坊とともに殺されるという悲しい結末を迎えた。
小野花梨 コメント
――ふくを演じきって
「ふくの人生は、ハッピーエンドだったと思います。愛する人と足抜けして、生き延びて、子どもを授かって、すごく稀有なハッピーガールだったと思うんです。だからいろいろつらいことありましたけど、私はとっても幸せだったなと思います。一つ大きな無念があるとすれば、とよ坊も一緒に亡くなってしまったことがあまりにも悲しいなと思いますね。これでとよ坊が新さんと共に生き残ってくれて、二人の未来を願えるんだったらどこかで諦めもついたかもしれません」
――ふくにとって新之助は?
「新さんは本当にずっと愛してくれていたので、横にいて不安な気持ちになることがあんまりなかったです。そういう意味では、新さんなら自分がいなくなっても大丈夫だと思って死ねたんじゃないかなと勝手に思います。もちろんお別れは悲しかったと思いますが、最後の最後まで二人は想いあっていて、それだけはずっと揺るぎなかったということが、私は脚本の森下佳子さんから大きなプレゼントをいただいたなと思っています」
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