
28日に開幕する第96回都市対抗野球大会。全国12地区の厳しい予選を突破してきた代表チームの主役候補を紹介します。最終回は北信越代表で6年ぶり25回目出場、長野市・信越クラブでコーチ兼任の樫山瑠選手(27)。北信越2次予選の全3試合で本塁打を放って東京ドームへと導いた左のスラッガーに迫りました。
都市対抗野球大会の出場チームの主役候補を紹介する過去の記事は以下から読めます
予選で驚異の打率7割 捕手のリード安定で得た自信 西部ガス・松山翔太
「プロ入り意識で焦りが…」 丸刈りで再起、JR四国のエース・近藤壱来
「景色も見慣れた感じ」 JR北海道クの新人、南泰成が躍進したワケ
「職場でもエースになれ」
昨季、1本も本塁打を打てなかったとは思えない長打力だった。
IMF BANDITS富山との代表決定戦。1―1で迎えた八回に先頭打者として打席に向かった。
真っすぐに狙いを定めた初球だった。低めに落ちるチェンジアップは読みとは違ったが、うまくバットを合わせて振り抜いた。打球は右翼スタンドに飛び込む決勝の勝ち越しソロとなった。
1回戦では1点リードの五回に中越え2ランを放ち、準決勝では九回に右越えソロをマークした。2次予選では5割4分5厘の高打率を残し、長打力と勝負強さを印象付けた。
「試合ではこれまでやってきたことを出すだけ。だから、あまり緊張しないんです」
涼しげな表情で語る理由は、手のひらを見れば分かる。何度もマメがつぶれて皮がむけ、皮膚は硬くなっていた。「マメがないと不安です」。努力を積み上げてきたからこその言葉である。
信越クラブは、選手と…
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