アルプスの両親「顔つきが…」 見つめた京都国際・西村の姿 甲子園

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【京都国際-山梨学院】力投する京都国際の先発・西村=阪神甲子園球場で2025年8月19日、玉城達郎撮影 拡大
【京都国際-山梨学院】力投する京都国際の先発・西村=阪神甲子園球場で2025年8月19日、玉城達郎撮影

 前回の優勝投手を、ただ祈るように見つめていた。

 19日にあった全国高校野球選手権大会準々決勝。山梨学院に敗れた京都国際のエース左腕・西村一毅(いっき)投手(3年)は甲子園のマウンドに立った。

 アルプスにいた両親は、堂々と投げ続ける息子の姿から、心の成長を感じ取った。

先輩に甘える場面もあった昨夏

 西村投手は滋賀県出身で、京都国際入学と同時に寮生活を始めた。

 背番号「11」だった昨夏の甲子園では、4試合に登板して24イニングを投げ、防御率0・00。決勝でも救援し、優勝投手になった。

 父弘克さん(50)と母則子さん(51)によると、西村投手は小さい頃から前に出るタイプでなく、胸の内はあまり明かさない性格だった。

 京都国際に入学後、帰省するのは月1回ほど。今夏の京都大会の前に帰ってきた時も、弘克さんが「頼むで」と声を掛けると、いつも通りひょうひょうとしていた。

 ただ、野球部のスタッフからは「去年は先輩に甘える場面もあったが、今年は違う。緊張している」と聞いていた。

 今春の選抜大会は出場できず、エースとして挑む高校最後の夏に、強い思いを抱いていることが分かった。

 新聞記事やテレビのニュースで見せる息子の姿は、明らかに以前と違った。

【京都国際-山梨学院】力投する京都国際の先発・西村=阪神甲子園球場で2025年8月19日、西夏生撮影 拡大
【京都国際-山梨学院】力投する京都国際の先発・西村=阪神甲子園球場で2025年8月19日、西夏生撮影

 則子さんは言う。「この1年で顔つきが変わりました。しっかり自分で考え、みんなの前に出て練習していることが分かりました」

 弘克さんが気になっていた、ストライクが取れない時に投手プレートを蹴るような仕草は見せることがなくなった。

 西村投手は今大会、優勝候補だった健大高崎(群馬)との初戦を160球で完投し、次戦の尽誠学園(香川)戦でも好救援した。

 3試合目となる準々決勝は先発マウンドに上がった。ただ、山梨学院の強力打線を抑えることができず、6回9失点で降板した。

 西村投手は涙こそなかったものの、悔しさをかみしめた。

 「先輩に連れて行ってもらった甲子園に、今度は自分が連れて行こうとやってきました。応援してくれた両親には、ありがとうと伝えたいです」

 試合後に集めた甲子園の土は、両親にプレゼントする。【黒詰拓也】

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