大阪・ミナミ火災ビル 法令違反指摘も大半改善されず 検証委で調査

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火災があった雑居ビル。ビル全体が黒く焼けこげている=大阪市中央区で2025年8月19日午前8時49分、松原隼斗撮影 拡大
火災があった雑居ビル。ビル全体が黒く焼けこげている=大阪市中央区で2025年8月19日午前8時49分、松原隼斗撮影

 大阪・ミナミで消防隊員2人が死亡した火災で、現場となったビルは大阪市消防局の立ち入り検査で6項目の法令違反を指摘されていた。火災感知器の不足などが確認されたが、改善されたのは一部にとどまっていたという。市消防局は安全対策の不備が火災の拡大や消火活動に影響しなかったか、検証委員会で調査する方針だ。

 市などによると、火災があったのは隣り合う7階建てと5階建ての雑居ビルで、ビル同士の一部が内部でつながっていた。鉄筋コンクリート造りで約60年前に建てられ、その後に増築。飲食店や事務所などが入居していた。

 市消防局は3年に1度、ビルに立ち入り検査を実施していた。直近の2023年6月には、避難路や防火扉の付近に障害物が置かれていないかなどを確認する「防火対象物点検報告」がされていなかった。また、法令の基準で設置が必要な場所に火災感知器が取り付けられていないなど、計6項目で法令違反が見つかった。

 市消防局はビルの管理者に是正を求めたが、火災前までに改善が報告されたのは、1年に2回の避難訓練の実施だけだった。火災感知器は検査後に一部が設置されたが、まだ不足していたという。

 市消防局は21日にも検証委員会を設置する予定。担当者は「火災のあったビルの管理者には継続して指導していた。立ち入り検査の状況なども踏まえ、隊員2人が死亡した経緯や出火原因などを調べたい」と語った。【大坪菜々美】

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