2025年央には令和の米不足は解消したが、米価はいぜん高水準のままで維持されている。農林水産省の統計では、最新の6月の取引価格は2万7613円(玄米60キログラム)と、前年同月の1.7倍の水準で高止まりを続けている。
なお、この取引価格は、農水省が、しぶしぶ放出した備蓄米を含めると2万6347円に下がるが、その販売も8月末までで終了する。
新聞報道によれば、本格的な新米の時期を前に、九州や四国などでは早場米の収穫が行われているが、主な産地のJA(農協)が農家に支払う前払いの概算金は、前年よりも5~8割高いとされている。これは当然ながら、今後の小売価格に反映されることが見込まれる。
これについては、猛暑による干ばつの影響などの指摘もあるが、基本的な要因は、JAと農水省との結託による減反政策だ。04年の改正食糧法で、それまでのように政府が米価を決めるのではなく、建前では米の流通を自由化し、その価格を市場に委ねる政策に転換した。しかし、現実には、農水省の直接の関与はないものの、…
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