愛媛県美術館南館(松山市堀之内)で20日に開幕した第76回毎日書道展四国展(毎日新聞社、毎日書道会主催、愛媛県、同県教委、松山市、同市教委後援)は、大勢の書道ファンらが初日から訪れ書の世界を堪能した。開展式や作品解説会のほか、受賞者をたたえるレセプションもあり約200人が出席した。
開展式には、毎日書道会役員や四国展関連の書家らが出席。式の後には四国展担当理事の遠藤彊さんと宮本博志さんによる作品解説会があり、来場者が真剣な表情で聴き入っていた。遠藤さんは作品ごとに良い点や改善点を紹介し、紙や墨などの選び方や上達の秘けつを説明。「正しい文字を美しく書くことから始め、それができるようになれば自分の作風で表現していく。最初からいい作品にしようとしないことが大切」などとアドバイスした。宮本さんは、注目する部分を絞るなど作品鑑賞のコツなどを伝授。「余白や(文字の)流れなどテーマを決めて勉強すれば、自分の作品にも良い効果が生まれる」と語った。
ANAクラウンプラザホテル松山であったレセプションでは、新居田玉濤(ぎょくとう)・四国展実行委員長が「四国展は伝統と歴史がある書道展。先人の思いを引き継ぎながらどのように伝えていくのかが我々の仕事。新たな企画もあるので、一人でも多くの方に見てもらえる展覧会にしたい」とあいさつ。その後、受賞者にレイが贈られ、グランプリにあたる「会員賞」を受賞した八木玉汀さん(63)=愛媛県松前町=と、伊藤理恵さん(68)=松山市=らが登壇。受賞者を代表し、八木さんが「諸先生方への感謝の気持ちでいっぱい。この喜びを励みに、今後も研鑽(けんさん)を重ねたい」と謝辞を述べた。24日までの会期中は、揮毫(きごう)会やワークショップなどが連日開かれる。
毎日書道展は国内最大規模の総合書展。今回は全国から寄せられた約2万6000点から受賞作などが選ばれた。四国で受賞した会員賞2人▽毎日賞8人▽秀作賞8人▽佳作賞17人――らの約700点が展示されている。【広瀬晃子】
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