「過去の問題ではない」 慰安婦問題教え続ける中学教諭の危機感

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慰安婦問題での発言を巡り、橋下徹・大阪市長(当時)に抗議する市民ら=大阪市北区で2013年5月24日午前11時9分、小松雄介撮影
慰安婦問題での発言を巡り、橋下徹・大阪市長(当時)に抗議する市民ら=大阪市北区で2013年5月24日午前11時9分、小松雄介撮影

 見たくないものには目を向けない。信じたいものだけを信じる。そんな空気が強まっている。かつて旧日本軍が関与した「負の歴史」への反応は、その最たるものだ。

 約30年前からそうした空気にあらがってきたのが大阪府内の中学校教諭、平井美津子さん(64)だ。戦時中の従軍慰安婦について中学の授業で教える平井さんを、右翼団体が繰り返し攻撃した。それでも屈せずに長く授業を続け、問題と向き合う大切さを子どもたちに訴えてきた。その強い意志はどこから来るのだろうか。

米兵の性暴力と重なる慰安婦問題

 大阪府出身。立命館大を卒業し、中学校の社会科の教師として教壇に立った。大きな転機は戦後50年の1995年だ。沖縄で米兵による少女暴行事件が起き、戦時中の慰安婦問題と重なって見えた。以降、沖縄での集団自決、南京大虐殺などに並び、従軍慰安婦の問題を正面から授業で取り上げるようになった。

 朝鮮半島や中国本土、南洋諸島まで広域に慰安所が設置されたことを示す地図を生徒に見せて考えさせた。慰安婦にさせられた一人一人の女性の生涯を紹介し、その苦しみを丁寧に伝えてきた。

 生徒からはストレートな感想が返ってくる。「女性が…

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