
「小泉八雲について発表するために調べているんです。10冊くらい机に積んでね」。図書館を最大限に活用して楽しんでいるのは、埼玉県三芳町の「みよし読書愛好会」会長、笛木隆雄さん(84)だ。本を借りては読書ノートをつけ、館内でビブリオバトルも開催。好奇心が満たされた充実した日々を送っている。
変化する読後感
笛木さんは2015年、町唯一の図書館である町立中央図書館と意見を交わす委員になった。さまざまな視点から改めて観察してみると、館内では若年層を対象としたイベントが多く、自分のような世代を対象にしたものはないと気付いた。そこで中高年に向けたイベントを何かやろうと話し合って決まったのが、「ビブリオバトル」だった。
ビブリオバトルは、本の書評合戦だ。まず「バトラー」と呼ばれる発表者が、それぞれ1冊の本の魅力をプレゼンテーションする。続けてその本に関する質疑を行い、最後にはどのバトラーの本を読みたくなったか投票で競い合う。トップになると「チャンプ」として、トロフィーに名前と書名が記入されたリボンが飾られる仕組みだ。
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