国際連合(国連)機関や人道支援団体などの連合体「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の飢饉検討委員会が、パレスチナ自治区ガザ地区の北部ガザ市とその近郊で「飢饉」が発生していると認定しました。中東で飢饉が認定されたのは初めてです。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ガザ地区の飢饉認定」について解説します。
Q ガザ地区で飢饉って聞いたよ。どんなことが起きているの?
A ガザ地区の北部ガザ市とその近くで、食べ物が極端に足りず、多くの人が命の危険にさらされている「飢饉」が発生していると、IPCが認定しました。
Q 深刻な状態なの?
A はい。たくさんの人が食べ物を手に入れられず、栄養失調や飢えで命を落とすほどの食料不足が起きています。
Q どれくらいの人が困っているの?
A ガザ地区の人口約200万人のうち、約51万4000人が「壊滅的飢餓」に陥り、約107万人が「人道危機」の段階にあると報告されています。
Q 何が影響しているの?
A イスラエルは3月に支援物資の搬入を止め、戦闘を再開しました。人道団体による食料配布拠点もありますが、わずか4カ所しかなく、物資を受け取りに来た住民が殺害されるケースも多発しています。食料の空中投下も行われていますが、必要な量には届かない上に、落下した物資が住民を直撃して死傷するケースも続出しています。
Q IPCは飢饉について何と言ってるの?
A 「完全に人為的なもの」として、阻止することが可能だとしています。
Q イスラエルの言い分は?
A イスラエル外務省は「ガザで飢饉は起きていない」と主張し、報告書について「フェイク」だと反発しています。
Q 過去にもIPCが飢饉が認定したケースはあるの?
A ソマリア(2011年)、南スーダン(2017年と2020年)、スーダン(2024年)がありますが、中東で認定されたのは初めてです。
Comments