原田琥之佑、15歳 「海辺へ行く道」で映画初主演 祖父は原田芳雄「DNAかも」

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29日公開の映画「海辺へ行く道」(横浜聡子監督)は、少年たちのひと夏の騒動を奇妙なユーモアで描いた独特の味わいの成長物語だ。主人公の南奏介は海辺の街で暮らす中学2年生。美術部員の奏介は、夏休みも後輩の立花良一とともに演劇部に頼まれた絵を描いたり、新聞部を手伝ったりと忙しい日々を送っている。アーティスト支援を掲げる街だが、怪しげで癖のある大人たちも大勢出入りしている。

役作りのアイデア

奏介を演じたのは、これが映画初主演となる高校1年生の原田琥之佑(こうのすけ)(15)。撮影時は中学2年生で、「身長が13センチも伸びた」と、育ち盛りならではのエピソードを今年7月の舞台あいさつで披露した。

横浜監督は松山ケンイチ主演の映画「ウルトラミラクルラブストーリー」などのユニークな作風で知られる。完成した映画を見た原田は「第一声は『なんだ、これ』でした。横浜監督ワールド全開で、でも心に残る。よく分からないけどすごい。アートを扱った映画ですが、本当に映画そのものが芸術でした」と語る。

ハチャメチャで、どこか切ないのに愉快。ある意味、10代の夏の日を思わせる映画といえる。

「現場はものすごく明るくてアットホーム。スタッフ、キャストの皆さんが温かい環境を整えてくださった」と振り返る姿は、堂々たる主演俳優だ。

奏介という役について原田は「監督からアドリブをたくさん、そして大きな身ぶり手ぶりを求められました。僕ももともとアドリブをいっぱい入れようと思っていたんです」と話す。

ユニークなのは、セリフを言い終えても小声でぶつぶつつぶやき続ける点。「芸術と向き合うときは大人になるけど、基本的には自由気ままでのんきなキャラクター。子供っぽさを強調するため、ぶつぶつ言い続けたほうがいいと考えました。監督も気に入ってくれて、もっと目立つようにやっていいと言われました」という。

撮影開始前にある程度キャラクター像を固め、現場でさらに肉付けしていく。これが原田流の役作りだ。「自分で考えました」と胸を張る。

これだ!

令和4年公開の「サバカン SABAKAN」(金沢知樹監督)でデビュー。草彅剛も出演した同作も子供が主役で、原田は主人公の友人役を演じた。そして今回、早くも初主演となった。

小学6年生のとき、知り合いの芸能関係者の勧めで「サバカン─」のオーディションを受けた。当時、芝居の経験はなく、大人が居並ぶ審査に「怖くて本当に嫌で、早く帰りたかった」と振り返る。だが合格し、「噓でしょと思った」。撮影前日まで緊張で泣いていたが、現場で監督の「ヨーイ、ハイ!」という掛け声を聞いた瞬間、「あれ? すごく楽しいな!」と気づいたという。

「これだと思った。感じたことのない感情がこみ上げ、自分の中で何かが変わった。芝居をすればするほど楽しくてわくわくした。自分が求めていたものはこれだったんだと思った」

祖父はワイルドな昭和を代表する俳優の一人、原田芳雄。名優の佐藤浩市とも姻戚関係にあり、サラブレッドだ。ただ「14年前に亡くなった祖父については記憶がないんです。皆さんに教えてもらって、こういう人だったのかと〝原田芳雄像〟を固めているところです」と明かす。

「でも、もしかすると俳優のDNAみたいなものが僕にもあるのかも」

アクションに挑戦したい

奏介同様、絵が得意で、劇中の何枚かの絵は自分で描いた。

最近はエレキギターを弾き始めた。「モテるかなと思って。でも全然モテない」と笑う。レパートリーはRADWIMPSの「ハイパーベンチレーション」。一方でクイーンの「キラー・クイーン」のギターソロを、ブライアン・メイが6ペンス硬貨をピック代わりにしていることにならい「5円玉で弾きました」というから本格的だ。

身長176センチと伸び盛り。「将来はハリウッドなどさまざまな場所で仕事をしたい。英語の勉強もしないと」と夢を語る。

さらに映画「ベイビーわるきゅーれ」(阪元裕吾監督)シリーズに刺激され、「最近の目標はアクションに挑戦すること」とも。

「やりたいことがいっぱいあって」と目を輝かせる15歳なのだった。

麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽らが共演。第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でスペシャルメンションを受けた。(石井健)

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