米ニューヨークで開かれているイスラエルとパレスチナの「2国家解決」を目指す国際会議は2日目の29日、共同議長を務めるサウジアラビアのファイサル外相が「パレスチナ国家の承認と実現は2国家解決の達成に不可欠」だとする共同宣言案への支持を参加国に呼びかけた。
作業部会での議論を下敷きにした宣言案では、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスとの恒久的な停戦を実現した後、パレスチナ自治政府の下で「暫定行政委員会」を設立するよう求めている。さらに国連主導の安定化ミッションを展開し、停戦監視や人道支援の調整などにあたる道筋を描く。
また宣言案は、イスラエルにヨルダン川西岸地区での「違法」な入植活動をただちにやめるよう求め、ハマスに対しては武装解除とガザの統治終了が必要だと指摘した。2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃への批判も盛り込んだ。
サウジと会議を共催したフランスは9月の国連総会に合わせ、「2国家解決」について首脳級会合の開催を計画している。両国は、それまでに宣言案への支持を表明するよう参加国に訴えた。
29日は、日本からは中東和平を担当する上村司政府代表が演説し、「パレスチナの人々の独立国家を樹立する願いを十分に認識している」と言及。国家承認については「和平の促進を念頭に、適切な時期を含めて総合的に検討する」と述べた。
会議は当初2日間の予定だったが、各国による意見表明は30日も続く。米国とイスラエルは参加せず、会議の開催自体を批判している。【ニューヨーク八田浩輔】
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