「悪人は私。UFJ悪く見ないで」元行員が謝罪 弁済見込み「ない」

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東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で 拡大
東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で

 三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から顧客の金品(計約3億9000万円相当)を盗んだとして窃盗罪に問われた元行員、山崎由香理被告(46)は25日、東京地裁(小野裕信裁判官)で開かれた被告人質問で、被害総額の規模を「約100人から総額17億~18億円相当を盗んだ」と述べた。顧客の氏名と被害金額を表計算ソフトのエクセルで管理していたという。「完全にまひしていた」と当時の心理状況を振り返った。

 検察側は事件の動機を外国為替証拠金取引(FX)で生じた損失補塡(ほてん)のためだったとしている。山崎被告は「FXや競馬で(お金を)増やす以外にないと思っていました」と認めた。

 被告の説明によると、事件発覚後に離婚した元夫がFXで利益を上げているのを見て、自身も始めるようになった。平日はFX、土日はネット競馬をし、2013年には多額の借金を抱えたという。

 ギャンブルをしないとの誓約書を元夫と交わし、給与を管理される「小遣い制」となった。借金完済後は月3万~15万円をもらっていたが、洋服代や飲食代で足りなくなり、17~18年ごろにFXを再開。損失が膨らみ元夫のタンス預金から穴埋めしたものの、20年以降は顧客の金品に手を付けるようになったという。

 エクセルに記録を残したのは、損失回復後に顧客に返金するためだったとした。山崎被告は「私のような悪人一人のためにUFJを悪く見ないでください。金融業界への不信感を招き、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。一方、裁判官から弁済の見込みを質問されると「ありません」とも答えた。

元行員の山崎由香理被告が勤務していた三菱UFJ銀行練馬支店=東京都練馬区で2025年1月14日、加藤昌平撮影 拡大
元行員の山崎由香理被告が勤務していた三菱UFJ銀行練馬支店=東京都練馬区で2025年1月14日、加藤昌平撮影

 起訴状によると、山崎被告は23年3月~24年10月、支店長代理や営業課長だった練馬支店(東京都練馬区)と玉川支店(世田谷区)で、顧客6人から預かった金塊計約26キロ(時価総額約3億3000万円相当)や現金計約6145万円などを盗んだとされる。検察側は立証可能な分に限って起訴したとみられる。【安元久美子】

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