
防衛省の防衛監察本部は30日、海上自衛隊の潜水艦修理を巡る造船会社からの不適切な物品受領について、最終報告をまとめた。
そこから浮かび上がるのは、海自内で法令順守意識と規律が緩んだまま、不正が「慣習」として常態化していた実情だ。
ある潜水艦乗組員経験者は、今回の調査に語った。
「先輩から『私物も(造船会社に)要望できる』と教えてもらった」
潜水艦修理にこと寄せ、乗組員らが造船会社に私物や自艦の備品を無心する慣習は、40年にわたって続けられた。
品々を提供させるため、海自隊員らは造船会社に対し、本来必要な修理作業の一部を「やらなくていい」とさえ伝えていた。
では、こうした不正に対し、防衛監察本部は、どこまで踏み込んだのか――。
トイレットペーパーがない「国防の要」
「国防の要」。最終報告は、海自の艦艇部隊についてそう記す。不正の舞台となったのはその艦艇、特に潜水艦だった。
海自は現在25隻の潜水艦を保有し、メンテナンスのために3年に1度の定期検査や年次検査の度に修理・点検を受ける。その際に建造元の川崎重工業や三菱重工業に依頼する修理もあれば、乗組員らも日常的に修繕をする。
始まりは…
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