警視庁刑事総務課は26日、多摩中央署で身元を特定するため安置されていた男性2人の遺体の取り違えがあったと明らかにした。身元が確認されて遺族に引き渡そうとした時に、火葬が済んでいることが判明したという。
同課によると、5月5日と11日、それぞれ東京都多摩市内の自宅で、65歳と68歳の1人暮らしの男性が死亡しているのが見つかった。いずれも事件性はないとみられ、DNA型鑑定のため署内に安置されていた。
7月25日、同署の男性警察官2人が、身元が判明した65歳の男性の遺体を火葬する際、葬儀業者に誤って68歳の男性を引き渡したという。68歳の男性は8月21日に身元が判明し、同23日に遺族に引き渡そうとしたところ、既に火葬されたと気づいたという。
5月22日から安置室の修繕作業のため2人の遺体を別の場所に移動しており、6月19日に安置室に戻す際に、ホワイトボードに2人の遺体の保管場所を逆に書いたという。また、葬儀業者への引き渡し時に遺体に装着したリストバンドなどに書かれた正しい名前を確認せず、幹部の立ち会いも怠ったという。
警視庁は関わった署員の処分を検討する。同課の虻川誉課長は「同種事案の絶無を期するため、ご遺体の人定確認措置の徹底を指導する」とコメントした。【山本康介】
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