兵庫県立篠山産業高校(同県丹波篠山市)野球部監督の長沢宏行氏(72)が部員に暴力を振るったとして、同部の指導を外れたことが26日、同高などへの取材で分かった。長沢氏はアトランタ・オリンピックのソフトボール代表ヘッドコーチを務め、創志学園(岡山県)や神村学園(鹿児島県)を率いて春夏の甲子園に出場した名将。
学校側によると、長沢氏は7月10日、篠山産業高グラウンドで部員らが紅白戦をしていた際に、けがを抱えていた2年生部員が試合に参加しようとしているのを見て叱責し、殴ったという。
学校側の聞き取りに対して生徒は「殴られた」と話し、他の部員10人ほども殴られるところを目撃したり聞いたりしたという。長沢氏は「軽く頭をはたいた。投げてほしくなかった。故障しているのだからよく考えてもらいたかった。はたいたことについて申し訳なかった」などと話したという。学校側は同23日に長沢氏に指導を外れるように伝えたという。
長沢氏は野球などを通じた地域振興を目的に、市が2022年、非常勤の特別職「市スポーツ振興官」に任命。職務の一つとして、同部の指導をしていた。【幸長由子】
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