海の中からの訴え、国に届くか 長生炭鉱での“発見”までの苦闘

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頭蓋(ずがい)骨のようなものを収容した韓国人ダイバーの金秀恩さん(左)と金京洙さん(右)=山口県宇部市の床波海岸で2025年8月26日午後2時34分、小澤優奈撮影
頭蓋(ずがい)骨のようなものを収容した韓国人ダイバーの金秀恩さん(左)と金京洙さん(右)=山口県宇部市の床波海岸で2025年8月26日午後2時34分、小澤優奈撮影

 戦時中の水没事故で朝鮮半島出身者を含む労働者計183人が死亡した山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で26日、市民団体による潜水調査の結果、頭蓋骨(ずがいこつ)のようなものが見つかった。25日には骨のようなもの3本が発見されており、事故犠牲者の可能性が高い。国はこれまで「戦没者にはあたらない」として調査に後ろ向きな姿勢を示してきたが、犠牲者の遺骨と判明すれば、対応の再考を迫られる。

遺骨捜しを続けたのは市民団体

 「潜水調査を繰り返せば骨が収容できるということが実証できた」

 市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)の依頼で潜水調査を続けてきた水中探検家の伊左治(いさじ)佳孝さん(37)はこの日、収容された頭蓋骨とみられるものを確認した後、手応えをそう語った。

 戦時中の1942年に朝鮮半島出身者136人を含む183人が犠牲になった事故から80年余り。現場に残されたままの遺骨の収容に、刻む会が乗り出したのは2024年だった。背景には、会が繰り返し調査を求めても、国が重い腰を上げないことがあった。

 刻む会はクラウドファンディングなどで資金を集め、24年9月に近くの海岸の地下約4メートルに埋まっていた坑口(坑道への出入り口)を見つけた。翌10月以降、伊左治さんらダイバーが、坑口から水がたまった坑道内に入って内部の調査や遺骨捜しを続けてきた。

水深43メートル地点で…

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