船内で生まれた男性 80年後にあふれ出した「知りたい」

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母親の苦労を思い出し涙ぐむ佐藤寿郎さん=北海道根室市で2025年8月8日、宮間俊樹撮影
母親の苦労を思い出し涙ぐむ佐藤寿郎さん=北海道根室市で2025年8月8日、宮間俊樹撮影

 5月26日、札幌市内である資料が公開された。

 会場に足を運んだのは約60人。セピア色に変色した資料をめくり、声が響いた。「あった!」「言葉にならない」「墓参りできないのが切ない」。抱き合って涙を流す人、言葉を失う人。感情が入り交じった。

 この資料は、終戦後に北海道の函館港に入港した船の「乗船名簿」。1945年8月15日以降に侵攻してきたソ連軍によって北方領土から樺太(からふと)(現ロシア・サハリン州)に強制退去させられ、最長で数カ月間、劣悪な環境の収容所で過ごした元島民らが乗った引き揚げ船について、国がまとめた。

 北方領土からの引き揚げ船の乗船名簿に「出生」の文字がありました。約80年前、船内で生まれた赤ん坊は、どのような人生を歩んだのでしょうか――。
前編 船内で生まれた男性 80年後にあふれ出した「知りたい」
後編 名付け親の船長は たどり着いた「答え」、浮かんだ涙の理由

今年、公になった名簿

 その存在は広く知られず、国立公文書館に保管されていた文書が2025年4月に公になった。名簿は47年7月~48年10月に日本船16隻に乗っていた約8800人分に上る。千島歯舞(ちしまはぼまい)…

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