日本維新の会の石井章参院議員(68)=比例=が公設秘書の給与を詐取した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は27日、石井氏の東京・永田町にある参院議員会館事務所や、茨城県取手市にある地元事務所を詐欺容疑で家宅捜索した。特捜部は秘書には勤務実態がなかったとみており、押収した資料の分析とともに関係者への聴取を進め、全容解明を目指す。
公設秘書は特別職の国家公務員で、国会議員1人につき計3人を雇用できる。給与は公費で月給は年齢や勤続年数に応じて約33万~65万円。議員側は公設秘書を雇う際、秘書名や採用日などを国会に届け出ることが義務付けられている。
関係者によると、石井氏が秘書として届け出た人物には勤務実態がなかった可能性があり、国から給与をだまし取った疑いがある。この秘書は既に退職しているという。
石井氏の事務所には午前10時過ぎ、特捜部の係官らが入り、押収物を入れた段ボールを運び出した。捜索は議員会館が約6時間、地元は約9時間に及んだ。
石井氏は取手市議を経て、2009年衆院選で民主党(当時)から出馬して初当選し、1期務めた。16年参院選では日本維新の会の前身のおおさか維新の会から出馬して当選し2期目。
公設秘書の給与詐取を巡っては、24年8月に広瀬めぐみ元参院議員(59)が約360万円の詐欺罪で在宅起訴され、その後有罪判決が確定した。【北村秀徳、岩本桜、酒造唯】
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